下町住みの西東京遠征

気づけばもう6月になってしまった。

冬から春にかけて、気温が緩やかに上昇し、天気も比較的安定し続ける散歩の季節が終わり、家に籠るしかない梅雨の季節がやってくる。

そんな梅雨前の最後の足掻きをするように僕は日常の合間を縫って散歩をしている。

先週末は立川の昭和記念公園で開催された東京蚤の市に行ってきた。

土曜日の昼前の立川はまるで夏のような気温で、思わず着ていたチェックシャツを脱いで半袖になった。

初めて蚤の市というものに行ったのだけど、予想以上のすごい人出で、まるでお祭りのようだった。

僕は人混みがあまり得意ではないので、会場を一周して古本を一冊買っただけでそそくさと退散してしまった。

蚤の市のイメージは、古いガラクタのようなものを売っている出店が沢山ある感じだと思っていたけど、どうやらそんなこともないらしく、新品の雑貨を売っているお店もけっこうあったり、何の体験かは忘れちゃったけど体験型のお店なんかもあって、古い物が好きな層以外にも様々なお客さんが楽しめるようにしているんだなと思った。

僕の蚤の市での戦利品はこれ。

世田谷にあるsnow shovelingという書店が出店していて、そこでビート詩集を買った。本には再版発行1965年という表記があったため、れっきとしたヴィンテージ本だ。1950年代にビートジェネレーションという、若者がカフェや大学の講堂に集まって詩を朗読するカルチャーが存在したことは知っていたが、具体的な詩の内容までは読んだことがなかったので気になり購入した。半分ほど読んだのだが、音楽的な詩だなという感想を抱いた。このビートジェネレーションが1960年代のヒッピームーブメントにつながっていったのも納得できるほどに詩の一行一行から若者の叫びのようなものが聞こえてきた。

興味のある方はぜひビートジェネレーションについて調べてみてほしい。

蚤の市を後にし、向かったのは立川GREEN SPRINGS。

この施設は、先日読んだ三浦展氏の本で取り上げられており、行きたかった場所でもある。

天気の良さが施設の良さを際立たせているようだった。自然と人工物を共存させる建築は数あれど、GREEN SPRINGSにはどれも及ばない。

自然と人工物の自然の部分が本気なのだ。施設の中庭には本格的なビオトープが存在し、人工的な施設内にいることを忘れさせてくれる。いや、完全に忘れることは難しいが、人工的な施設内にいてもなお自然の気持ち良さを十二分に感じることができるという表現の方が適切であろうか。

とにかく気持ち良い場所であったので、小一時間その辺の腰掛けられそうなところに腰かけて過ごした。

2階部分が森のような場所になっているが、3階部分からは森を見渡すことができる。3階から様々なグループが思い思いのひと時を過ごしている姿を観察していた。

GREEN SPRINGSで休憩した後は、ブックオフで古着を漁って、駅前の喫茶店で煙草を何本か吸って下町へ帰った。

久々に中央線の新宿以西まで足を延ばしたけど、やはり東京低地とは全然雰囲気が違ってのびのびしていて、いいなと思った。これからもたまには西東京の方にも足を延ばしてみようと思う。


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